ノラ

底が落ちたあとは落ちる。
這い上がっても這い上がっても広がった限界は中々埋めることは難しい。
衝撃が痛くて泣いてしまって壁をすり抜けてきた手にすがって同じ高さだと勘違いしてしまう。
きっと大変だ。その手の主もそんな重いとはおもわなんだ。
おもいおもい。おもいおもい。
そういって手を離すのを待ってまたきた時と同じように消えていくのだ。左様なら。
だれも名残惜しみはしないのに。