ひそくろ3

文体診断の結果の太宰治宮沢賢治の多さよ。

棒に振る。


「ふられちゃった!」
あは、

笑う君は結構なんだか痛々しい、
話は変わるけど昔からボクはあまりなかない人間だった
転んでも、なにしても、君が泣いていても。
だから自然と貼り付ける笑みの数が多くなっていって、今ではさすが学校では微笑みの貴公子とかなんたら言われてる。バカバカしいなー
ボクがわらえば君がわらうから、だけど君はボクのいないところで泣くから
だから今は

「なんで、ないてんの」
「君が笑ってるからだよ」
「意味わかんない」

うん、意味わかんないよ
ボク等は多分なんとなくここにいるから、ボク等を照らしつける夕方にしてはちょっと熱いぐらいの太陽もなんとなくボク等を照らしている
ふと、多分この場には必要ないことを考えるのがボクの癖だった
手をクロロの頬に寄せてみた、あったかい

「ボクは今、太陽のことについて考えてるんだ」
「は、」

ぎゅう、っと男にしては華奢な彼の体を抱いてみる
少し自分より低い背の彼を見ると、吃驚したみたいに瞼が震えてその目がボクを見る
真っ黒な目は彼が良く好きで見てる真っ暗な街の上に浮かぶ星空を思い出させた

「今は真っ暗な夜空を思い出してる」
「だから意味わからな、」
クロロが言葉を終える前に彼の丸い形のいい頭を抱き込んだ
空はだんだんと太陽を隅に追いやっていく
ボク等が見る世界から消えていく
「ボクは今から寝っころがって空を見るんだ、多分ここから見る空は綺麗だよ
だって当たりは明かりが無くて真っ暗なんだ。ボクはおほしさまを見てるよ」

ボクは星を見るんだ。

腕の中の君が小さく震えた気がした。


なんできみはわらってんですか。



おわり