夕日は目に痛かった。はずだった。
いまの私の目には歪んで、見えて、いやそうでもないかも。
光は途切れず私に届く。
「コウは、すごいね」
なんとなしに、なんとなく、ついて出た言葉だった。
コウはなにも言わずに夕日を眺めている風にいた。
この丘はお気に入りだった。太陽に透かされた緑を見るのが好きだ。
小さく色の様々な花が草の隙間から覗くのをみるとなにか、特別なものにであった気になるのだ。
緑は昨日までの雨を吸って独特の、気持ちの悪くない匂いを放っている。